ダイトウボウ(3202)の決算資料読んでみた。

財務諸表勉強のため、コロナ関連銘柄で話題となっているダイトウボウ(3202)の2月6日に発表された2020年3月期第三四半期の決算資料を読んでみました。
今回は決算説明資料がないため、決算短信を中心にみていきましょう。

業績ハイライト

「第3四半期連結累計期間の業績は、売上高はヘルスケア事業の譲受けによる増収 効果もあり、35億92百万円(前年同期比9.1%増)と前年同期比増収となり、また、各事業セグメントにおいて粗利率が改善したことに加え、前年同期の商業施設事業投資に関連する一過性の費用計上の影響が剥落したこともあり、営業利益は3億39百万円(前年同期比38.9%増)と前年同期比増益となりました。さらに、支払利息などの営業外費用を加味した経常利益は1億89百万円(前年同期比41.7%増)と前年同期比増益となり、これに、前年同期の減資に伴う一過性の税金費用の改善効果がなくなったことによる法人税等の税金費用増加がありましたものの、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億83百万円(前年同期比13.0%増)となり、前年同期比増収増益の決算となりました。」とのこと。

各セグメントの業績は、以下の通り。

商業施設事業
商業施設事業については、静岡県下有数の商業施設である「サントムーン柿田川」において、ハロウィンおよびクリスマスの季節関連イベントを強化したものの、消費増税後の反動減の影響や近隣に新規出店した大型ショッピングセンターの開業セールの影響もあり、売上高は前年同期を下回りました。損益面では、前年同期に計上した第4期開発に関連する一過性の費用計上がなくなったこともあり、前年同期比増益となりました。
この結果、商業施設事業の売上高は17億46百万円(前年同期比0.6%減)、営業利益は7億9百万 円(前年同期比11.4%増)となりました。
⇒消費増税の煽りもたったため売上自体は良くありませんでした。しかしながら、次期は消費増税の痛税感も収まってくると思われるため、売上は回復するとみています

ヘルスケア事業
健康ビジネス部門につきましては、前期末の事業譲受け効果により、売上高は前年同期を上回りました。一般寝装品部門につきましては、一部取引先での在庫調整の動きなどがありましたものの、前期末の事業譲受け効果による業務用寝具の受注増があったことから、売上高は前年同期を上回りました。損益面では、増収効果に加え、譲受け事業である和田哲カンパニー事業が順調に推移した結果、前年同期比で改善しました。
この結果、ヘルスケア事業の売上高は10億64百万円(前年同期比68.2%増)、営業利益は13百万円(前年同期は営業損失10百万円)と第3四半期連結累計期間では5期ぶりの黒字転換となりました。
⇒事業譲受による効果が大きく出た印象です。ダイトウボウとしては非常に良い結果となりましたね。

繊維・アパレル事業
衣料部門につきましては、消費増税や暖冬による秋冬物衣料の不振による影響もあり、売上高は前年同期を下回りました。ユニフォーム部門につきましては、予定していた民需案件の受注が来年度以降にずれ込んだ影響から、売上高は前年同期を下回りました。損益面では、前年同期に計上した在庫評価減がなくなったこともあり、前年同期比で損失幅が改善しました。
この結果、繊維・アパレル事業の売上高は7億81百万円(前年同期比13.5%減)、営業損失8百万円(前年同期は営業損失29百万円)となりました。
⇒消費増税と暖冬によるダブルパンチを食らいましたね。アパレル業界は軒並み業績が悪く、ダイトウボウも例外なく当事業の業績が悪化しました。

次に財務についてみていきます。

当第3四半期連結会計期間末における総資産の残高は226億77百万円(前期末は208億53百万円)となり、前期末に比べ18億24百万円増加(前期末比8.7%増)
主な要因は、現金預金の減少3億24百万円、たな卸資産の増加1億14百万円、有形固定資産の増加19億79百万円。


負債の残高は181億35百万円(前期末は165億44百万円)となり、前期末に比べ15億91百万円増加 (前期末比9.6%増)しました。
主な要因は、短期借入金の減少17億66百万円、長期借入金の増加33 億33百万円であります。

純資産の残高は45億41百万円(前期末は43億8百万円)となり、前期末に比べ2億33百万円増加 (前期末比5.4%増)しました。主な要因は、利益剰余金の増加1億83百万円、繰延ヘッジ損益の増加48百万円であります。

決算資料を読む限り、 良い決算だったように見受けられます。事業譲受が奏功し、消費増税・暖冬の悪影響を上手く吸収し、結果として増収増益となりました。
今月に入り、コロナウイルスのニュースにより、ダイトウボウの株価は乱高下しています。 低位株であるため、もうしばらくはマネーゲームの材料とされそうですね。
明日以降の値動きは正直分かりませんが、業績面では問題ないように見受けられるため、「投機」ではなく「投資」として資金を投じるのであれば、一考する価値があるかと思います。

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