セイコーホールディングス(8050)の決算資料をまとめてみた

8月11日発表のセイコーホールディングス(8050)の決算資料を1~2分で読めるようにまとめてみました。

まずはサマリーから。(単位は百万円)

2021年3月期第一四半期
売上高:35612(前年同期比-39.2%)
営業利益:-2178(赤字転落のため比較できず)
経常利益:-2595(赤字転落のため比較できず)
純利益:942(前年同期比-56.2%)

2021年3月期配当について未定

自己資本比率:33.7%(2020年3月期34.4%)

2021年3月期通期業績予想
売上高:210000(前年比-12.2%)
営業利益:200(前年比-12.2%-96.7%)
経常利益:-1300(赤字転落のため比較できず)
純利益:1000(前年比-70.5%)

以下、決算短信より抜粋

(1)経営成績に関する説明
当第1 四半期連結累計期間(2020 年4 月1 日~6 月30 日)における世界経済は、前期から続いた新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済活動の制限により大幅に悪化いたしました。米国では5月から6月上旬にかけて経済活動の回復が見られましたが感染症拡大前の水準は大きく下回っており、欧州でも5月以降ロックダウンの段階的な解除後、景況は徐々に回復したものの、失業者数の増加など消費を取り巻く環境は厳しい状況が続いています。中国経済は政府による経済活動の再開指示や内需喚起策等の効果で3 月中旬ごろから緩やかに改善しており、装置製造業の回復や消費マインドの改善が見られました。その他のアジアでは新型コロナウイルス感染症拡大の継続や香港のデモにより経済活動は大きな影響を受けました。
わが国の経済も4 月に発令された緊急事態宣言に伴い、デパートや小売店舗など多くの商業施設が閉鎖されたことから急速に縮小いたしましたが、5 月下旬の緊急事態宣言の解除や給付金等による家計所得の一時的な増加により6 月以降の個人消費は回復に向かいました。

このようなグローバルでの新型コロナウイルス感染症拡大は当社グループの事業活動へも大きな影響を与えました。前期第4 四半期から継続した海外各都市でのロックダウンや、4 月に発令された国内の緊急事態宣言に伴う商業施設、小売店舗の閉鎖、あるいは世界的な移動制限によるインバウンド需要の消失等によりウオッチ事業、クロック事業、和光事業などの売上高が伸び悩んだほか、海外での活動制限令発令などにより納入先の稼働が低下し、電子デバイス事業の売上高も前年同期に届きませんでした。しかしながら、システムソリューション事業は事業の多角化やストックビジネス拡大の取組みを進めてきたことが功を奏し、前年同期を上回り順調に推移いたしました。その結果、当社グループの当第1 四半期連結累計期間の売上高は、356 億円(前年同期比39.2%減)となりました。
連結全体の国内売上高は209 億円(同37.6%減)、海外売上高は146 億円(同41.3%減)となり、海外売上高割合は41.2%でした。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う環境の変化により投資時期や方法について見直しを行ったことから、当第1 四半期連結累計期間の広告宣伝販促費は前年同期から約4 割減少いたしました。その他の経費も売上高減少に伴う削減や休業時固定費の特別損失への振替えなどで前年同期から減少いたしましたが、営業利益は前年同期から 50 億円悪化し、営業損失 21 億円(前年同期は営業利益 28 億円)となりました。持分法適用関連会社であった半導体事業会社の株式譲渡などにより持分法による投資利益が減少したことで営業外収支が前年同期から悪化し、経常利益は前年同期を59 億円下回る経常損失25 億円(前年同期は経常利益33 億円)となりました。半導体事業会社の株式譲渡益71 億円を特別利益に、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う損失 30 億円を特別損失に計上し、法人税等および非支配株主に帰属する四半期純利益を控除した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は9 億円(同56.2%減)となりました。
なお、当第1 四半期連結累計期間の平均為替レートは1 米ドル107.6 円、1 ユーロ118.6 円でした。

セグメント別の概況は、以下のとおりです。

①ウオッチ事業
ウオッチ事業の売上高は前年同期比 192 億円減少の 146 億円(前年同期比 56.7%減)となりました。国内の完成品ウオッチでは4月から5 月までの2 か月間、緊急事態宣言に伴い小売店舗、商業施設が閉鎖されたことやインバウンド需要が消失したことなどにより売上高は大きく減少いたしました。緊急事態宣言が解
除され移動制限も段階的に緩和された 6 月以降は新型コロナウイルス感染症の影響の少ない地方を中心に徐々に売上高は回復してきましたが前年同期の水準には届かず、当第1 四半期連結累計期間は前年同期の売上高を下回りました。セイコーダイバーズウオッチ55 周年となる「セイコー プロスペックス」は6月に発売した記念限定モデルが好調に推移し、緊急事態宣言解除後の6 月単月の売上高は前年同月を上回りました。
流通別にはすべての流通が新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けましたが、特に都心部に強いデパート流通や量販店で大きな影響を受けました。
海外でも世界各地で 3 月頃から始まったロックダウンが 5 月以降徐々に解除されましたが、6 月になっても一部で店舗の閉鎖が続くなど経済活動の本格的な回復には至らず、海外完成品ウオッチの売上高も伸び悩みました。
外部環境に合わせた投資の見直しや経済活動の制限に伴う削減などにより費用は前年同期を下回りましたが、営業利益は前年同期から 49 億円減少し営業損失 11 億円(前年同期は営業利益 37 億円)となりました。

② 電子デバイス事業
電子デバイス事業は売上高 107 億円(前年同期比 16.0%減)、営業損失 39 百万円(前年同期は営業利益1 億円)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い中国をはじめとする市場の需要回復が遅れていることなどによりプリンタ関連が伸び悩みましたが、半導体製造装置向けの高機能金属やデータセンター向けの精密部品などは順調に推移いたしました。

③ システムソリューション事業
システムソリューション事業の売上高は前年同期比10 億円増加の87 億円(前年同期比13.3%増)、営業利益は前年同期比 73 百万円増加の 8 億円(同 9.7%増)となりました。一部、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け苦戦した事業があったものの、4月に株式会社コスモが子会社となったことに加え、決済関連ビジネスやアプリケーション性能管理ソフトなどが伸長いたしました。

④ その他
その他の売上高は前年同期比27 億円減少の38 億円(前年同期比41.8%減)、営業損失は3 億円(前年同期は営業損失1 億円)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大による国内での緊急事態宣言を受け約2 か月間店舗を閉鎖した和光事業や、デパートや量販店など販売流通の多くが閉鎖されたクロック事業の4 月、5 月の売上高が大きく落ち込みました。

(2)財政状態に関する説明
(資産)
当第 1 四半期連結会計期間末の総資産は 3,046 億円となり、前年度末に比べて 46 億円の増加となりました。流動資産では、たな卸資産が68 億円、現金及び預金が15 億円増加した一方、受取手形及び売掛金が66億円減少したことなどにより、流動資産合計は前年度末より42億円増加し1,423億円となりました。
固定資産では、有形固定資産が35 億円、無形固定資産が4 億円増加し、投資その他の資産が35 億円減少したことから、固定資産合計は前年度末と比べ4 億円増加の1,623 億円となりました。
(負債)
負債につきましては、短期借入金が143 億円増加し、1 年内返済予定の長期借入金が8 億円、長期借入金が 28 億円減少した結果、借入金合計は 1,201 億円となりました。米国で当第 1 四半期連結会計期間より ASU 第 2016-02「リース」を適用したことに伴い流動負債が 2 億円、固定負債が 7 億円増加したほか、支払手形及び買掛金が 30 億円、未払金が 30 億円減少したことなどにより、負債合計は前年度末と比べ48 億円増加の2,006 億円となりました。
(純資産)
純資産につきましては、株主資本が 5 億円減少したことから、合計でも前年度末と比べ 2 億円減少の1,040 億円となりました。

(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2021 年 3 月期連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大に伴う環境変化が当社グループに与える影響はきわめて不透明であり、業績予想の算定が困難な状況であることから未定といたしておりました。新型コロナウイルス感染症については依然として収束時期を見込むことが難しいものの、第3 四半期以降も段階的に各国政府による移動制限の解除が進み、国内外で現状の生産活動や販売活動が継続するという前提に基づき通期業績予想を以下のとおり算定いたしました。
感染症の影響が継続する前提のため大幅な減収を見込んでおり、それに合わせた費用の圧縮にも取り組んでまいります。第7次中期経営計画の基本方針に大きな変更はなく、その戦略をそれぞれの事業でさらに加速していくことが何よりも重要と考えております。タイミングを見極めつつ将来の成長に向けた投資を確実に行い、新規需要の開拓やマーケティング・販売活動でのDX の推進など、After / With コロナを見据えた投資や新たに生まれた社会課題の解決に向けても積極的に取り組んでまいります。
なお、業績予想の前提となる第2 四半期以降の為替レートは1 米ドル105.0 円、1 ユーロ 120.0 円を想定しています。

決算資料を読む限り、コロナウイルスの打撃をもろに受けた印象です。
特にウォッチ事業の業績低迷は大きく、売上高で192億円も減少しました。富裕層向けの高級時計は利益率が高く、セイコーの稼ぎ頭ともいえるため、当事業における売上高の大幅な減少は、企業の根幹を大きく揺らします。
世界中でコロナによるロックダウンが解除されているため、このまま売上高が減り続けることはないとは思いますが、少なくとも損益分岐点を上回る売り上げが確保できるかは本決算ではわかりかねます。損益分岐点を上回れるかどうかは喫緊の課題であり、セイコーはこの損益分岐点を早急に下げる必要があります。

今回の決算では配当について言及はありませんでしたが、次回の決算発表ではおそらく減配がアナウンスされるでしょう。

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