ラウンドワン(4680)の決算資料をまとめてみた

8月5日発表のラウンドワンの決算資料を1~2分で読めるようにまとめてみました。
まずはサマリーです。(単位は百万円)

売上高:5630(前年同期比-78.0%)
営業利益:-11050(前年同期比赤字のため算出不可)
経常利益:-11052(前年同期比赤字のため算出不可)
純利益:-8559(前年同期比赤字のため算出不可)

配当予想第2四半期末10.00円、期末10.00円(前年と変わらず)

自己資本比率は38.4%(前連結会計年度末は47.8%)

以下決算短信より抜粋(重要なそうな所にはハイライトをしています。)

(1)経営成績に関する説明
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い緊急事態宣言が発令され、企業活動の制限や外出自粛要請により個人消費の落ち込みを背景に経済が停滞する等、極めて厳しい状況で推移いたしました。
他方、世界経済においても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う都市封鎖等により大幅に景気が減速し、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループは日本国内においては、2020年4月上旬より国内全103店舗を臨時休業といたしました。緊急事態宣言の解除に伴う休業要請の緩和を受け、同年6月上旬より国内全103店舗において、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底し、営業を再開いたしました。
米国においては、2020年3月中旬より米国全41店舗にて臨時休業といたしました。5月中旬より、各州政府・郡からの要請緩和に伴い、一部店舗にて営業を再開いたしましたが、営業時間の短縮や部分的な営業の制限等を受けました。
また、新型コロナウイルス感染症が当社グループに与える影響の長期化に備え、安定的かつ機動的な資金調達体制の構築を図るため、金融機関より長期借入金による資金調達及びコミットメントライン契約を締結いたしました。これにより、当第1四半期連結会計期間末において十分な運転資金を確保しており、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に対応できる体制を整えております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高5,630百万円(前年同四半期比78.0%減)、営業損失11,050百万円(前年同四半期は営業利益2,360百万円)、経常損失11,052百万円(前年同四半期は経常利益2,341百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失8,559百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益1,441百万円)となりました。
なお、当社が運営する屋内型複合レジャー施設は、お盆期間やお正月期間等長期休暇の多い第2四半期及び第4四半期に売上高が増加する傾向があり、四半期毎で業績の偏りが生じます。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、2020年4月上旬より国内全103店舗を臨時休業といたしました。また、新型コロナウイルス感染防止対策としてボウリングやカラオケ等の備品、及び館内施設の定期的なアルコール消毒、抗菌・抗ウイルスコート加工の実施等の対策を行い、同年5月中旬より一部店舗を再開し、同年6月上旬に国内全店舗にて営業を再開いたしましたが、営業時間の短縮や一部営業エリアの制限等を行いました。
以上の結果、ボウリングは前年同四半期比75.9%減、アミューズメントは前年同71.1%減、カラオケは前年同80.6%減、スポッチャは前年同85.1%減となりました。
(米国)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、2020年3月中旬より米国全41店舗を臨時休業といたしました。当第1四半期連結会計期間末において、主に中部地区から東部地区にかけての20店舗を営業再開いたしましたが、各州政府・郡からの規制により営業時間の短縮や部分的な営業の制限等の影響を受けました。主に西部地区を含む21店舗は引き続き臨時休業といたしました。
以上の結果、ボウリングは前年同四半期比95.7%減、アミューズメントは前年同89.5%減、カラオケは前年同97.4%減となりました。
(その他)
その他セグメントにおいては、日本・米国以外の地域に出店準備を進めております。

(2)財政状態に関する説明
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ5,077百万円減少の130,761百万円となりました。この要因は、現金及び預金が7,619百万円減少、未収入金が557百万円減少、売掛金が520百万円減少したこと等による流動資産の減少8,411百万円と、繰延税金資産が2,542百万円増加、建設仮勘定が1,215百万円増加、使用権資産(純額)が1,179百万円増加、建物及び構築物(純額)が961百万円減少したこと等による固定資産の増加3,333百万円によるものであります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ9,597百万円増加の80,295百万円となりました。この要因は、短期借入金が2,631百万円増加、未払消費税等が898百万円減少、未払法人税等が897百万円減少、未払金が689百万円減少、設備未払金が637百万円減少したこと等による流動負債の減少447百万円、長期借入金が10,048百万円増加、リース債務が737百万円増加、社債が583百万円減少したこと等による固定負債の増加10,044百万円によるものであります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ14,674百万円減少の50,466百万円となりました。この要因は、自己株式が5,000百万円増加、為替換算調整勘定が181百万円減少、親会社株主に帰属する四半期純損失8,559百万円の計上により利益剰余金が9,512百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は38.4%(前連結会計年度末は47.8%)となりました。

(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、店舗の臨時休業や海外における出店活動の遅延など、国内外において様々な影響が見込まれております。そのため、現段階ではその影響額について合理的な算定が困難であることから、2021年3月期の連結業績予想については、記載いたしておりません。今後、連結業績予想の開示が可能となった時点で速やかに開示する予定です。

決算資料を読む限り、緊急事態宣言による影響を最も受けた企業の1つのように見受けられます。
4~6月の営業損失は110億円と、ラウンドワンの時価総額(約650億円(8月5日時点))から考えるとかなりの額の営業赤字を計上しています。
日本国内の売り上げ高は約75%減、米国の売上高は90%近く減となりました。
現在、日本国内はすべての店舗で営業を再開、米国も半数近くで営業を再開していますが、コロナウイルスによる外出自粛の流れによっては今後も厳しい業績となることが予想されます。
また、自己資本比率も47.8%→38.4%と大きく低下してしまいました。

ラウンドワンはビジネスモデル上固定費がかなり大きいため、店舗の営業ができなければ容易に赤字となってしまう企業です。営業再開となった今でも稼働率を抑えたり、また外出次週による客足の鈍化により今後も赤字を計上する可能性があります。
特にラウンドワンはお盆・夏休み及び春休みにおいての売り上げ及び利益計上が大きいため、8月のコロナウイルス感染者の増加ニュースは大きな痛手となり得ます。

今期の業績予想が出せない理由もコロナウイルスのニュースによって大きく業績が変動するためでしょう。
また、業績予想を出せたとしても大幅な赤字及び減配は避けられないと思われるため、今回の開示は見送ったものと思われます。
しかしながら、次期の決算においては少なくとも中間配当について言及する必要があるため、次回の決算発表はさらに厳しいものとなる可能性があります。

春休みまでにある程度新型コロナウイルスが落ち着かなければ、最悪会社自体が傾く可能性も否定できないでしょう。今期は正念場となりそうです。

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