エムスリー(2413)の決算資料をまとめてみた。

5月15日発表のエムスリー(2413)の決算資料を1~2分で読めるようにまとめてみました。
まずは、損益計算書から見ていきましょう。

損益計算書

売上収益は130,973百万円(前期比15.8%増)
営業利益は34,337百万円(前期比11.5%増)
税引前当期利益は34,610百万円(前期比11.9%増)
当期利益は24,153百万円(前期比13.1%増)

なお、当期においては新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な拡大に伴う事業環境への影響等を踏まえ、のれんにつき合計670百万円の減損損失を計上。

では、セグメント別に見ていきます。

セグメント別業績

① メディカルプラットフォーム
各サービスが順調に拡大したことに加え、グループ会社の新規連結の効果もあり、メディカルプラットフォームセグメントの売上収益は、51,270百万円(前期比24.3%増)。製薬マーケティングチームの強化等、将来の成長に向けた積極的な先行投資により、人件費を中心として売上原価・販管費は増加しているものの、売上増加によりメディカルプラットフォームのセグメント利益は19,253百万円(前期比25.1%増)
なお、新規事業として取り組んでいるリハビリ施設運営の株式会社ワイズに関連する損失は830百万円(ワイズの営業損失410百万円、ワイズに係るのれんの減損損失420百万円)となっており、この影響を除いたメディカルプラットフォームのセグメント利益は前期比で29.8%の増加。

② エビデンスソリューション
CRO事業での治験プロジェクトは順調に進展したものの、安全性情報管理(PV)事業の大型のプロジェクトが終了したこと等によりセグメントの売上収益は21,365百万円(前期比5.6%減)、セグメント利益は4,699百万円(前期比21.5%減)

③ キャリアソリューション
医師、薬剤師の転職者数の増加により業容が拡大し、キャリアソリューションセグメントの売上収益は、15,393百万円(前期比12.3%増)。また、人員の採用等、成長のための先行投資による人件費の増加を増収により吸収し、セグメント利益は4,151百万円(前期比7.9%増)

④ サイトソリューション
提携医療機関の増加に加え、訪問看護等の各事業が拡大し、売上収益は12,223百万円(前期比33.1%増)、セグメント利益は944百万円(前期比7.1%増)

⑤ 海外
アジア地域の成長に加え、米国の治験事業が好調に推移し、海外セグメントの売上収益は29,961百万円(前期比19.3%増)、セグメント利益は5,722百万円(前期比57.3%増)

⑥ その他エマージング事業群
売上収益は3,286百万円(前期比6.4%減)。株式会社翻訳センター等が持分法適用関連会社から外れた影響等により、その他エマージング事業群のセグメント利益は513百万円(前期比68.0%減)となりました。

営業利益増減要因
COVID-19の2019年度における営業利益への影響
4月業績速報
セグメント別4月業績速報

次に財政状態についてみていきます。

2019年4月1日の連結財政状態計算書の有形固定資産が5,899百万円、無形資産が18百万円、その他の短期金融負債が2,420百万円、その他の長期金融負債が3,497百万円増加

資産合計は、前連結会計年度末比84,534百万円増の221,839百万円

流動資産については、その他の短期金融資産が31,665百万円増加したこと等により、前連結会計年度末比57,559百万円増の121,545百万円。

非流動資産については、新規連結子会社の増加等により無形資産が7,452百万円増加し、また、のれんが7,044百万円増加したことにより、前連結会計年度末比26,974百万円増の100,294百万円。

負債合計は、前連結会計年度末比15,208百万円増の50,238百万円。流動負債については、主にIFRS第16号「リース」の会計基準を期首から適用したこと等によりその他の短期金融負債が3,080百万円増加し、前連結会計年度末比10,145百万円増の38,144百万円。

非流動負債は、IFRS第16号「リース」の会計基準を期首から適用したこと等によりその他の長期金融負債が4,355百万円増加し、前連結会計年度末比5,063百万円増の12,094百万円。

資本合計は、前連結会計年度末比69,325百万円増の171,601百万円。増資等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ25,216百万円、26,682百万円増加したことによる。

次にキャッシュフローを見ていきます。

当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末残高より20,409百万円増加し、47,948百万円

営業キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、26,789百万円の収入(前期は17,749百万円の収入)。収入の主な内訳は、税引前当期利益34,610百万円であり、支出の主な内訳は、法人所得税の支払額9,735百万円。

投資キャッシュフロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、49,883百万円の支出(前期は8,783百万円の支出)。定期預金の預入による支出16,761百万円、償却原価で測定する金融資産の取得による支出15,001百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出10,319百万円が発生。

財務キャッシュフロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、43,400百万円の収入(前期は5,008百万円の支出)。主に、株式の発行による収入50,183百万円が発生。

次に今後の見通しについてみていきます。

2021年3月期の連結業績予想については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な拡大による当社グループの国内外の事業環境への影響について、合理的に算定することが困難であることから開示しておりません。連結業績予想について合理的な算定が可能となった段階で速やかに開示いたします。(決算短信原文まま)

決算資料を読む限り、良好な内容に見えますね。
営業利益は前年同期比11.5%増であり、営業キャッシュフローも増えています。
コロナの影響により、営業利益は押し下げられたと決算資料には記載がありましたが、それ以上に業績が良くマイナスを跳ね除けた印象です。

次期の見通しについては開示していませんが、今回の決算資料を読む限り、極端に悪い業績になることは考えにくそうですね。

週明け市場環境が悪くなければ、株価はポジティブに反応するのではないでしょうか。

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