カーブスホールディングス(7085)の決算資料をまとめてみた。

4月10日発表のカーブスホールディングス(7085)の決算資料を1~2分で読めるようにまとめてみました。
早速損益計算書から見ていきましょう。

損益計算書

当第2四半期連結会計期間末の国内カーブス店舗数(メンズ・カーブスを除く)は前連結会計年度末比23店舗増加し(前連結会計年度末比1.2%増)2,014店舗(内グループ直営店65店舗)に、会員数は10千人増加し832千人(同比1.2%増、対前年同月比13千人増)。
この結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は以下の通り。

売上高
当第2四半期連結累計期間の売上高は、144億31百万円
営業利益
当第2四半期連結累計期間の営業利益は、29億88百万円
経常利益

当第2四半期連結累計期間の経常利益は、支払利息等を計上した一方、為替差益が発生した結果、30億46百万円
親会社株主に帰属する四半期純利益
当第2四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は、法人税、住民税及び事業税を11億43百万円計上したこと等により、20億56百万円

売上高内訳

次に賃借対照表を見ていきます。

賃借対照表

資産
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ13億85百万円減少し328億39百万円(前連結会計年度末比4.0%減)
流動資産は11億円減少し101億80百万円(同比9.8%減)。これは主に、受取手形及び売掛金が3億36百万円、商品が2億29百万円増加した一方で、現金及び預金が10億33百万円減少したことなどによるもの。
有形固定資産は13百万円増加し3億36百万円(同比4.1%増)。これは主に、工具、器具及び備品が11 百万円増加したことなどによるもの。
無形固定資産は2億75百万円減少し218億8百万円(同比1.2%減)。これは主に、商標権が2億3百万円、その他の無形固定資産が1億1百万円およびのれんが15百万円減少したことなどによるもの。
投資その他の資産は22百万円減少し5億14百万円(同比4.3%減)。これは主に、繰延税金資産が20百万円減少したことなどによるもの。
固定資産の総額は2億84百万円減少し226億58百万円(同比1.2%減)

負債
流動負債は5億99百万円減少し74億18百万円(同比7.5%減)。これは主に、未払法人税等が25百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が3億62百万円、未払金が3億6百万円減少したことなどによるもの。
固定負債は10億28百万円減少し174億35百万円(同比5.6%減)。これは主に、長期借入金が9億20百万円および繰延税金負債が1億8百万円減少したことなどによるもの。
負債の総額は16億28百万円減少し248億54百万円(同比6.2%減)

純資産
純資産は2億43百万円増加し79億85百万円(同比3.1%増)。これは主に、為替換算調整勘定が2億3百万円増加し、また、剰余金の配当により20億16百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益20億56百万円の計上により、利益剰余金は39百万円増加したことによるもの。

次にキャッシュフローを見ていきます。

キャッシュフロー

キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して10億33百万円の減少(同比19.3%減)し、43億16百万円

営業活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間における営業活動の結果、21億89百万円の資金増加。これは主に、税金等調整前四半期純利益が30億44百万円、減価償却費が2億88百万円、法人税等の支払額が5億39百万円、仕入債務の減少額が3億63百万円および売上債権の増加額が3億30百万円だったことなどによるもの。

投資活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間における投資活動の結果、2億91百万円の資金減少。これは主に、無形固定資産の取得による支出が2億6百万円、有形固定資産の取得による支出が80百万円だったことなどによるもの。

財務活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間における財務活動の結果、29億36百万円の資金減少。これは主に、配当金の支払額が20億16百万円、長期借入金の返済による支出が9億20百万円だったことなどによるもの。

連結業績予想などの将来予測情報に関する説明についてみていきます。

「新型コロナウイルス感染症の国内および欧州における感染拡大およびそれに伴う経済活動、消費活動の停滞によって、新規入会数減少と退会数増加による会員数の減少に伴うロイヤルティ売上などの減少、新規出店の延期もしくは中止によって、売上高が当初予想対比で落ち込むことが見込まれ、またフランチャイズ加盟店への経営支援コストなどが増加をすることが予想されます。
一方で、新型コロナウイルス感染症の収束時期は未だ予測することができず、当社業績への影響も確かな予想が困難な状況にあります。
そのため、2020年8月期の連結業績予想につきましては未定とさせていただきます。 詳細につきましては、本日公表しております、「連結業績予想および配当予想の修正に関するお知らせ」をご参照ください。
今後も新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によって市場環境が頻繁に変化する状況であることに鑑み、引き続き業績動向を注視し、業績への重要な影響が生じた場合は、内容を精査の上、適時開示が必要な場合は速やかに公表して参ります」(決算短信原文まま)

次に事業等のリスクに関する説明についてみていきます。「事業等のリスク」について、直近の有価証券届出書の提出日後、当第2四半期決算短信提出日現在までの間において追加すべき事項が生じたとのこと。

「新型コロナウイルス感染症の感染拡大による事業リスクについて新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、当社グループでは専門の医師の方々や行政機関等より情報を収集し、2020年1月より店舗(直営店、FC店)内外での感染予防のための様々な取り組みを徹底して参りました。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の国内および欧州における感染拡大およびそれに伴う経済活動、消費活動の停滞による新規入会数減少や退会数増加による会員数の減少、緊急事態宣言の発令を受けての店舗の休業や、特別休会制度(感染による重症化リスクが高い方(基礎疾患をお持ちの方、ご高齢の方など)に感染が収束するまでの期間、会費はいただかずに休会していただく措置)によるロイヤルティなどの収入の減少、また、新規出店の延期もしくは中止による売上高の減少や、フランチャイズ加盟店への支援コストなどの増加が想定されます。今後、新型コロナウイルス感染症の収束時期によっては当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。」(原文まま)

第2四半期の決算内容だけを読むと、良い決算だったように思います。店舗数・会員数も増え、営業キャッシュフローがプラスであり、順調に業績が拡大していたことがわかります。

しかしながら、今後の業績については、全く先を見通せないとして未定となってしまいました。新型コロナウイルスの影響でジムがクラスター発生源となる可能性が大いにあり、休業を余儀なくされている状況では、未定とせざるをえないですね。

ここで焦点となるのは、どこまでカーブスホールディングスに休業を続けられる体力があるかということです。
現在カーブスの資産額は328億円、負債は248億円です。つまり資産の増加よりも80億円以上負債が増えてしまうと債務超過となります

ここでキャッシュフローに注目してみます。今後利益に関するキャッシュフロー以外はすべて第2Qと同じとすると、営業キャッシュフローは、約-12億円(キャッシュフローにおいて、四半期純利益が見通せないのでここでは0円とします。)
投資キャッシュフローに関しては、すべての投資を辞めたとして±0円
財務キャッシュフローに関しては、配当金支払いを0としたとして約ー9億円

つまり純利益を上げられず、今後何も対策を実施しない場合、1四半期で21億円キャッシュが出ていくこととなります。
そうすると1年後には債務超過に陥る可能性が出てきてしまいます。
実際には、会費はある程度振り込まれ、銀行から融資を受けることもできると思われるため、上記のように単純ではありませんが、1年が1つの目安としてみることができるかと思います。

カーブスホールディングスだけではなく、フィットネス業界全体として、コロナの終息が一刻も早く待たれる状況と言えそうです。

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