メドレー(4480)の決算資料を読んでみた。

2020年2月24日

財務諸表勉強のため。メドレー(4480)の決算資料を読んでみました。
今回も決算説明資料を基に見ていきましょう。

2019年12月期業績概要

当連結会計年度の業績は、売上高4,765,312千円、EBITDA249,562千円、営業利益153,159千円、経常利益178,347千円
また、第11期第1四半期連結会計期間に株式会社NaClメディカルの全株式を取得し連結子会社(完全子会社)としたが、同社の将来キャッシュ・フロー計画の新規事業性が高いことから、将来キャッシュ・フローに不確実性 があると判断し、同連結会計期間中に同社に係るのれんの減損損失494,489千円を計上。その結果として、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は381,226千円となりました。

売上高推移

セグメント別業績
人材プラットフォーム事業
当連結会計年度においては、顧客事業所数が前事業年度末比22.9%増の182,000件を超え、掲載求人数は前事業年度末比24.7%増の202,000件超。また、利便性向上のためにサービスサイトの機能改善を継続的に実施。
以上の結果、セグメント売上高は4,111,533千円、全社共通費用配賦前のセグメント利益(営業利益)は1,768,472 千円

医療プラットフォーム事業
当連結会計年度においては、2016年に提供開始したオンライン診療システム「CLINICSオンライン診療」に加え、電子カルテ「CLINICSカルテ」の機能拡張及び販売を開始した結果、クラウド診療支援システムCLINICSの利用医療機関数は前事業年度に引き続き増加し、前事業年度末比22.1%増の1,180件を突破。加えて、2019年3月には医事会計ソフトウェア「ORCA」の受託開発を担う株式会社NaClメディカルの全株式を取得し、連結子会社(完全子会社)化。また、「MEDLEY」においては、継続的なコンテンツの更新及び拡充を実施。
以上の結果、セグメント売上高は536,814千円、全社共通費用配賦前のセグメント損失(営業損失)は515,748千円

なお、当該営業損失が発生している要因としては、新規利用医療機関の獲得のための成長投資や、クラウド診療支 援システムCLINICSの機能拡充に向けた人員増強などの成長投資を積極的に行ったこと等が挙げられる。

新規開発サービス
当連結会計年度においては、「介護のほんね」は継続的なコンテンツ拡充及び紹介可能施設数の拡充のための積極的な営業活動を実施。
以上の結果、セグメント売上高は116,964千円、全社共通費用配賦前のセグメント損失(営業損失)は88,715千円
なお、当該営業損失が発生している要因としては、「介護のほんね」において成長投資として積極的な採用を実施していることが挙げらる。
なお、セグメント間取引消去額及び各セグメントに配賦されてない全社共通費用の総額は1,010,849千円です。

売上総利益・キャッシュフロー

営業キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、主として営業利益の増加により収入が増加し、513,982千円の収入

投資キャッシュフロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、主として株式会社NaClメディカルの全株式取得のための支出496,636千円、ソフトウェア開発のための支出149,761千円、オフィス増床に伴う敷金の支出104,001千円により、767,964千円の支出となりました。

財務キャッシュフロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、主としてマザーズ上場に伴う新株の発行による収入1,923,047千円、自己株式取得による支出475,000千円、自己株式処分による収入1,202,500千円により、3,075,285千円の収入となりました。

EBITDA
営業利益推移
従業員推移
次期業績予想

今後の見通しについて、「当社グループでは長期フリーキャッシュ・フローの源泉である売上高に加えて、フリーキャッシュ・フローに近い利益指標であるEBITDAを重要視しており、株主・投資家の皆様に対して当該二つの指標に関する情報提供を積極的に行ってまいります。利益指標のなかにはEBITDAの他に、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益もございますが、M&Aを実施した場合等、上記の成長投資の推進にあたっては会計基準の影響を大きく受ける場合があるため、当社グループでは当該影響を除外した実質的な収益力を測る利益指標としてEBITDAを重視してまいります。
2020年12月期の当社グループの売上高につきましては、当社グループの業績の成長率及び新規事業の立ち上がり速度等に一定の不確定要素が含まれることを踏まえ、投資家の皆様に対してより透明性の高い情報提供を行う観点から、レンジ方式による通期業績予想開示を採用
利益につきましては、売上高の通期業績予想においてレンジ方式を採用していること、並びに組織強化の一貫として計画している全社的な人材の採用における不確定要素により、採用費及び人件費が上振れ又は下振れする可能性があること等を踏まえ、EBITDA及びその他の利益についてもレンジ方式による通期業績予想開示」とのこと。

決算資料を読む限り、一時的な要因により、あまりよくない決算となったように見受けられます。
営業利益は黒字ですが、のれんの減損損失により純損失となっています。
また、セグメント別では、 医療プラットフォーム事業 及び 新規開発サービス において、営業赤字となっています。

しかしながら、のれんの減損損失は一時的なものであることと、医療プラットフォーム事業 及び 新規開発サービス の営業赤字は事業拡大すべく人員採用に注力してあるため、今後は大きく売り上げ・営業利益を伸ばすことができる環境が整ってくると考えられます。

数字上は良くありませんが、新興成長企業としてどんどん業績の拡大が期待できる決算内容に見受けられます。

最近は、コロナ関連銘柄として、株価が大きく動き出しています。医療プラットフォーム事業が、コロナのニュースをきっかけとして日本中に普及されるとの思惑が株価を押し上げているものと思われます。

メドレーは現在大きく成長すべく最近IPOを実施したばかりであり、株の値動きの傾向は分かりませんが、業績ではなく思惑先行の株価上昇であるため、荒い値動きとなりそうな気がします。

資金管理を適切に行ったうえで、触らないと大やけどしそうですね。

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