RIZAP(2928)の決算資料をまとめてみた。
6月10日発表のRIZAP(2928)の決算資料を1〜2分で読めるようにまとめてみました。まずは、損益計算書から見ていきます。
当期の売上収益は202,934百万円(前期は210,905百万円、前期比3.8%減)
営業損失は752百万 円(前期は8,394百万円の損失)
親会社の所有者に帰属する当期損失は6,046百万円(前期は19,423百万円の損失)
では、セグメント別に見ていきます。
美容・ヘルスケア
RIZAP関連事業は、パーソナル英会話ジム「RIZAP ENGLISH」やRIZAPメソッドを活用した暗闇フィットネス 「EXPA」などのグループスタジオサービスが第3四半期までは売上を伸ばした。しかし、2019年5月に発表した前期決算の影響に加えて、消費税増税および天候不順などによる獲得会員数の一時的な減少、新型コロナウイルス感染拡大に伴う店舗の休業や営業時間短縮等により減収減益。
RIZAPは今後、これまでの「結果を出すダイエットジム」から進化し、高齢化社会における健康寿命の延伸や、 糖尿病をはじめとする生活習慣病予防等に資するサービスを幅広く展開していく予定。また、新型コロナウイ ルスの感染が懸念される中にあっても安心してトレーニングを実施いただくため、全てのお客様、トレーナーを含 む全ての従業員に対し抗体検査を実施する。
MRKホールディングス株式会社は、消費税増税による個人消費の低迷に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの、新商品・サービスの拡充により売上高は増収。利益面においては、新商品・サー ビスによる収益貢献に加え、徹底したコスト管理による販管費の抑制を行った結果、営業利益は増益。
SDエンターテイメント株式会社は、前期にエンターテイメント事業の譲渡を行った影響、不採算店舗の閉店や業態転換等のスクラップ・アンド・ビルド、休業を伴う店舗のリニューアルの実施、新型コロナウイルス感染拡大の影響等により大幅な減収となったものの、ウェルネス事業においてコスト削減等の構造改革の進展や保育部門の新規出店が順調に推移したこと、オンラインクレーンゲーム事業が堅調に推移したこと等により、増益。
この結果、美容・ヘルスケアセグメントの売上収益は71,884百万円(前期は77,351百万円、前期比7.1%減)、 営業損失は1,709百万円(前期は1,788百万円の損失)
ライフスタイル
株式会社イデアインターナショナルは、新型コロナウイルス感染拡大により、海外売上の大部分を占める中国からの注文が減少するとともに、店舗を有する得意先への卸売売上や直営店舗での売上が減少。一方 で、外出自粛によりネット通販の売上が拡大する中、ネット通販を有する得意先への卸売売上及び自社ECの売上が伸長し、新型コロナウイルスの影響を抑えている。利益面については、主にキャッシュ・フロー改善のために 棚卸在庫の削減を行ったことによる商戦期である12月における売れ筋商品の欠品とそれに伴う売上機会損失などの影響が大きく、減益。
夢展望株式会社は、主力のアパレル事業において、前期にナラカミーチェジャパン株式会社を連結子会社化したことにより増収となったが、天候不順や新型コロナウイルス感染拡大の影響等により、減益。一 方で、ジュエリー事業は、上期における新商品の販売強化等により好調に推移し、全社でも増収増益。
株式会社HAPiNSは、「価値の追求」「選択と集中」をキーワードに構造改革を推進しています。当期は、前期から進めている取扱商品数の絞り込みによる戦略商品への集中により、プライベートブランド(PB)商品の販売が 拡大し原価率が改善したものの、下期における暖冬による冬物商品の伸び悩みや新型コロナウイルス感染拡大の影響により、減収減益。
堀田丸正株式会社は、第3四半期までは全てのセグメントで減収となったものの、馬里邑事業において前期に実施したブランド再編などの構造改革が売上総利益率の改善に寄与した他、販売員体制の見直しによる固定費の削減 などが功を奏し黒字転換を達成していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国内向け・海外向け売上ともに大きく減少し、結果、通期においても減収減益。
株式会社ジーンズメイトは、消費税増税や、暖冬等の天候不順に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響により減収減益。一方で、引き続き実施しているMDサイクル適正化に向けた取り組み(タイムリーな売 価変更を行うことで在庫と売上総利益率を適正にコントロールする取り組み)や販管費削減の取り組み等により収益構造の改善が進み、前期に引き続き営業黒字は確保。
この結果、ライフスタイルセグメントの売上収益は58,308百万円(前期は53,267百万円、前期比9.5%増)、営業利益は360百万円(前期は16百万円、前期比2,032.8%増)。
プラットフォーム
株式会社ワンダーコーポレーションは、前期に不採算店舗の閉店や商品の評価見直しを含む抜本的な構造改革を実施。当期についても引き続き不採算店舗の閉鎖等を実施した結果、減収。一方、不採算店舗の閉鎖等によりWonderGoo事業や新星堂事業の採算が大きく改善したこと、前期計上した事業構造改善費用の当期における計上がなかったこと等により、利益は大幅に改善し、減収増益。
この結果、プラットフォームセグメントの売上収益は74,000百万円(前期は81,555百万円、前期比9.3%減)、 営業利益は2,500百万円(前期は4,909百万円の損失)
次に財政状態を見ていきます。
資産
流動資産は、前期末に比べて32,506百万円、26.0%減少し、92,529百万円。これは主として、有利 子負債の返済などにより現金及び現金同等物が42,245百万円から27,047百万円に減少したことと、当第1四半期に 旧タツミプランニングの戸建住宅事業・リフォーム事業を売却したことなどにより売却目的で保有する資産が 7,998百万円から1,947百万円に減少したことによるもの。
非流動資産は、前期末に比べて32,303百万円、58.3%増加し、87,688百万円。これは主として、 IFRS第16号の適用などにより使用権資産が37,409百万円に増加したことによるもの。
この結果、資産合計は、前期末に比べて203百万円、0.1%減少し、180,218百万円。
負債
流動負債は、前期末に比べて2,154百万円、2.6%減少し、80,354百万円。これは主として、借入金の返済を行ったものの、IFRS第16号の適用などによりリース負債が増加した結果、有利子負債が29,266百万円から 44,239百万円に増加した一方で、当第1四半期に旧タツミプランニングの戸建住宅事業・リフォーム事業を売却したことなどにより売却目的で保有する資産に直接関連する負債が6,986百万円から459百万円に減少したことによるもの。
非流動負債は、前期末に比べて23,046百万円、53.4%増加し、66,221百万円。これは主として、 IFRS第16号の適用などにより有利子負債が33,458百万円から56,973百万円に増加したことによるもの。
この結果、負債合計は、前期末に比べて20,892百万円、16.6%増加し、146,576百万円。
資本
資本合計は、前期末に比べて21,095百万円、38.5%減少し、33,642百万円。これは主として、利益剰余金及び非支配持分が、IFRS第16号の適用などにより減少したことによるもの。
次にキャッシュフローについて見ていきます。
当期における現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は、売却目的で保有する資産に含まれる現金及び現金同等物の振戻額および振替額を加味すると27,047百万円(前期は42,245百万円)。各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの主要因は以下のとおり。
営業キャッシュ・フロー
当期における営業活動による資金の増加は13,920百万円(前期は10,429百万円の減少)。主な増加要因は、IFRS第16号の適用等により減価償却費が14,314百万円となったこと、営業債権及びその他の債権の増減が 5,087百万円となったこと。主な減少要因は、営業債務及びその他の債務の増減が△7,696百万円となったこと。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当期における投資活動による資金の減少は3,390百万円(前期は7,708百万円の減少)。主な増加要因は、子会社である旧タツミプランニングの戸建住宅事業・リフォーム事業を承継した新設会社および株式会社ぱどの売却を行ったことにより、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が2,164百万円となったこと 。主な減少要因としては、RIZAP関連事業やSDエンターテイメント株式会社(企業主導型保育園)の新規出店や株式会社ワンダーコーポレーションの店舗改装などによる有形固定資産の取得による支出が4,608百万円となったこと。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当期における財務活動による資金の減少は27,549百万円(前期は18,684百万円の増加)。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出が16,358百万円となったこと、IFRS第16号の適用などによりリース債務の返済による支出が14,576百万円となったこと。
次に今後の見通しについて見ていきます。
2020年4月7日に発出された新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言、休業要請及び外出自粛要請等に基づき、当社グループでは一部の店舗を除き臨時休業を実施し、その他の店舗の多くについても営業時間の短縮を実施いたしました。
その後の緊急事態宣言及び休業要請の解除に伴い、店舗営業の再開、営業時間短縮の解除を順次実施しておりますが、新型コロナウイルス感染拡大前と比べ来店客数の減少等の影響が出ております。今後についても、新型コロナウイルス感染症の収束時期や消費者の購買意欲回復時期が見通せない状況にあります。そのため、現時点で合理的に業績予想を算定することは困難であると判断し、次期の業績予想を「未定」とし、業績への影響が合理的に予想可能となった時点で、速やかに公表いたします。
また、本決算発表で公表予定であった中期経営計画についても、コロナウイルスの影響による社会的変化を考慮したものとする必要があると考え、公表を延期いたします。(決算短信原文まま)
決算資料を読む限り、コロナの影響を大きく受けた印象です。
3Qまでは業績が順調に推移していましたが、通期では営業赤字となってしまいました。
ビジネスモデルの性質上、コロナの影響を回避することは大変難しかったのでしょう。
しかしながら、営業キャッシュフローにプラスを維持したことはポジティブな材料だと思われます。
コロナの影響を大きく受けている企業は、アフターコロナにおいて、新たなビジネスモデルへと変換できるかが重要となってくるため、スピード感をもって対応できるか要注目ですね。
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