ひふみ投信で有名なレオスキャピタルワークスが運用についてメッセージを出しました。
ひふみ投信で有名なレオスキャピタルワークスが、新型コロナウイルスの感染拡大により、不安を感じている顧客のために運用について、ニュースリリースを出しました。
以下、重要そうなところは太字やハイライトしますが、原文のまま掲載します。
「わたしたちの大切なお客様・販売会社のみなさまへ
まずは現状ですが、ひふみの純資産総額における現金の比率を過去の運用の中でも最大規模に高めています(2/25現在)。
現在の現金の額は約2,000億円でこれはファンド全体の30%弱に値します。ひふみは最大50%まで現金の比率を引き上げることができる設定ですが、原則は0~10%の範囲の中でコントロールしながら運用しています。なぜなら株式市場の先行きを予測することは難しく、機動的な現金の出し入れよりは的確な銘柄選択で運用を行うのが長期的なリターンを上げる王道であると考えているからです。
1月末の段階では現金比率は0.7%でしたが、今回大きく現金の比率を上昇させた理由は、「不確実性の広がり」です。
私は投資の専門家であり感染症の専門家ではないので、今後の新型コロナウイルスの広がりやその重大性については論評することはできません。しかしながら市場にとって重要なのは致死率が高いか低いかではなく、「不確実性の広がり」です。なぜなら市場は不確実性をなによりも嫌がるからです。
少なくともしばらくは日本においても新型コロナウイルスの感染拡大を止める方策は存在せず、有効な治療薬もなく、急速に世界に広がりを見せています。日本における感染の広がりがピークアウトすることと、世界での広がりが山場を過ぎたと確認できるまでは、「不確実性が広がる」と見たほうが適切です。また政府はオリンピックの開催については強気の見通しですが、現状では確実に新型コロナウイルスが7月におさまっているという確証が得られない以上、不安の連鎖を止めることは難しいと思われます。
一方で、経済面では昨年の10-12月期のGDPが年率6.3%減少と消費税増税の影響を大きく受けた中でのコロナウイルス禍なので、少なくとも株式市場で株価が上昇する要因は多くないと考えられます。加えて、新型コロナウイルス対策で外出を控えたり、イベントを中止したりすることは、国内消費の急ブレーキ要因になります。中国での生産活動の停滞によるサプライチェーンの混乱なども明らかに株式の下値要因につながるでしょう。
またイタリアやイランなど新たな地域で、感染が広がり始めました。また米国においてもPERなどの指標が過去の中でも高い水準まで来ていることなどを考えても、「不確実性の広がり」に対する危険度はむしろ増していると見たほうが妥当です。
そのような中で、ひふみで保有する純資産総額における現金の比率を上昇させることが現実的な対応であると考え、10日以上をかけてできるだけ市場への影響が少ないように静かに売却を進めていました。当社のトレーダーの高い執行能力とブローカー様のサポート、そして強い米国株の趨勢にも支えられて、2,000億円程度の現金を捻出することができました。
2月24日から欧州・米国を中心に下落相場が始まり25日は日本株へと波及をしています。今後これで落ち着くのかはまだ不透明ですが、ひふみではこれからは方向性としては買いを目指していこうと考えています。2,000億円程度ある現金はそれなりの迫力をもって下げ相場に買い向かうことができるでしょう。これはアクティブ運用の醍醐味でもあります。
もちろん、ここから急速に問題が収束して株式市場が一気に反発することも考えられます。そのときは7割くらいの株式の部分の上昇と機動的な買い出動によって、市場の上昇に置いていかれないように準備をしておきます。そのうえで、もしパニックのような下げ相場がくれば、それこそバーゲンセールでお買い得銘柄をたっぷりと仕込むことができます。当社のアナリストも全力で暴落が来たら投資をしたい銘柄をリストアップしています。
もちろんわたしたちは日本や世界の未来には強い自信を持っています。
すばらしい会社や経営者をたくさん知っています。新型コロナウイルスで数週間から数ヶ月は混乱することがあるでしょうが、きっとわたしたち人類は過去もそうであったようにピンチを乗り越えていくでしょう。
今後とも全力で運用をしますので、ひふみをよろしくお願いいたします。」
上記のニュースリリースは以下よりご覧になれます。
https://www.rheos.jp/information/news/2020/20200225.html
さて、メッセージの中身についてですが、現在ひふみでは純資産総額の30%に当たる2,000億円を現金として保持しています。
これはアクティブ運用を行うファンドとしてはかなり勇気のある決断であったと思います。
ファンドはフルインベストメントが基本であるため、今回のコロナウイルスにより株価が暴落することを確信していたと思われます。
1月末までは現金比率0.7%であったとのことなので、相当スピーディに現金比率を高めた模様です。
結果論かもしれませんが、判断としてはかなり素晴らしかったと思います。
さて、今後については、買い目線で考えているように思えます。「もしパニックのような下げ相場がくれば、それこそバーゲンセールでお買い得銘柄をたっぷりと仕込むことができます。」と言及していることから、暴落したとしてもひふみはそこからは買いに向かうと宣言しているように見受けられます。
ここからはあくまで、上記のメッセージを読んだ私の推測(深読み)ですが、上記のような表現を使うということは、現時点において、ひふみは今回のコロナ騒動による株価下落によるの想定株価を低くともあと数%程度の下落で済むと考えているのではないかと推測しています。
例えば、日経平均でいえば21000~21500円あたりと考えていると推察しています。
つまり、2018年年末のように20000円を割るような展開まで行かないと考えているのではないでしょうか。
もちろん株式市場に絶対はないため、不確実性が現在よりも増した場合は、2018年末のような展開になるかもしれません。
それでもひとまずは、21500円を下限の目安にして自分の投資戦略を練り直してみようと思います。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません